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「ラストは、人生で一番長く感じた10kmだった」

ツール・ド・フランス2012=ステージ8

【現地取材リポート=第22報】
今日のレースはベルフォールからスイスに入りポラントリュイまでの157.5km、距離だけをみれば容易なステージと思えるかもしれないが、ツール・ド・フランスに簡単なステージなどない。カテゴリー1級の峠が1つ、2級が4つ、3級が1つ、4級が1つ。標高2000mに達するような大きな峠はないが、これだけの上り下りがあれば、集団はバラバラになるはずだ。展開的にもかなり荒れることが予想された。

写真=独走での区間勝利を果たしたティボー・ピノ(FDJ)。「ラストは、人生で一番長く感じた10kmだった。最後の1kmは後ろとのタイム差が30秒ほどあったので楽しんで走れた」とコメントした。(PHOTO=大前仁Hitoshi OMAE)

ティボー・ピノがキャリア最高の勝利。これが昨日のステージなら…、彼の出身はゴール25km手前の町、メリゼだった。

集団は分断と吸収を繰り返し、総合首位を争う選手たちはなんとか前方をキープしようとする。ハイスピードの展開から20人ほどの先頭グループができ、そこから独走態勢となったのがフレデリック・ケシアコフ(アスタナ)。これを追ったティボー・ピノ(FDJ)がケシアコフを交わし、単独となる。

ピノは本大会最年少、22歳だ。FDJのマーク・マディオ監督が追走するチームカーのなかから大声で檄を飛ばす。メイン集団からはカデル・エヴァンス(BMC)が飛び出し、マイヨジョーヌのブラッドリー・ウィギンズ(チームスカイ)らと追走集団を形成するが、これは区間勝利狙いというより、この厳しいステージで相手から少しでもタイム差を奪おうとする動きだろう。ピノはウィギンズらに26秒の差をつけてフィニッシュし、もちろんキャリア最高の勝利を挙げた。これが昨日のステージなら…、彼の出身はゴール25km手前の町、メリゼだった。


レース序盤、9km地点での先頭グループ。このメンバーで逃げを決めようと全力で走っていたが、メイン集団との差はまだ20秒。この逃げは決まらなかった。(PHOTO=大前仁Hitoshi OMAE)

◎取材=大前仁(Hitoshi OMAE)=ジャーナリスト、フォトグラファー。